遺言書はなぜ作成するのでしょうか。「自分が一生かけて築いてきた財産を誰に相続させるのかを伝えるためのもの。」というのは当たり前のことですが、最も大事なことは遺されたご家族一人一人に対して、自分の想いをお伝えいただくことではないでしょうか。
さらに最近では、遺された配偶者に残念ながら意思能力がなく、遺産分割協議書に参加できないために、遺産分割が確定できないようなケースも増えてきております。
このように遺産が未分割の場合、相続税の申告期限においては、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例といった相続税を大幅に減額できる特例制度が受けられないことになってしまいます。
このような最悪の事態にならないようにするためにも、遺言書の存在はますます重要なものとなっております。
遺言書の種類には、自筆証書遺言、保管制度を利用した自筆証書遺言、公正証書遺言などがありますが、やはり大事な財産ですからぜひ公正証書遺言をお勧めしたいと思います。
信託とは、読んで字のごとく「誰かを信じて、何かを託すこと」です。遺言書というのは相続人の了解を得ることなく、一方的に自分の遺志を遺すことができますが、信託というのは委託者と受託者との契約により成立するものです。
人生100年時代といわれておりますが、お元気に100歳まで天寿を全うされる方はほんの一握りではないでしょうか。残念ながら認知症を患い、施設で余生を過ごされる方々もたくさんいらっしゃるのが現実です。
こうなってしまうと、財産の処分はもとより、自分のお金すら銀行から引き出すことができなくなってしまいます。一番困るのは誰でしょうか。それはお子様たちではないでしょうか。
お子様たちに迷惑をかけないためにも、信託契約を検討してみてはいかがでしょうか。